DAO4Nの定量的メリットと、そこから想定される社会的影響

DAO4Nのメリットについて


まず何より、DAO4Nは熟議に参加する一般市民に参加報酬を支払うことができる。例えば、この値は変数変更提案でいつでも変更できることを留意してほしいが、審議員に日給3万円と休業手当2万円の計日給5万円を支払う決まりとしよう。このとき、ファシリテーター任命熟議や裁判官任命熟議は3日かかり、通常熟議は14日かかり、大規模熟議は2ヶ月かかることから考えると、それぞれ15万円・70万円・300万円の報酬となる。したがって、審議員として選ばれることは極めて前向きなことであり、市民の参政行動も変化するといえよう。また、このような高報酬は賄賂への耐性ともなる。

続いて、DAO4Nはファシリテーターと専門家に年収3000万円を支払うことができる。ファシリテーターは年間2000熟議を目標とするにあたり1国あたり150名ほど必要であり、専門家は1000名ほど必要である。彼らの報酬を合算したとして、345億円である。これは国会維持費用年間1000億円の1/3であり、リモート環境で設備費や警備費がかからないことからも極めて筋肉質な予算の使い方と言える。これだけの高待遇であれば国内外問わず極めて優秀な人材に参政してもらうことができるし、賄賂に耐性のある独立性を担保することができる。

加えて、DAO4Nは選挙と政党が不要である。したがって政党交付金318億円、選挙費用588億円、国民の投票負担1.2億人×0.5日を節約することが見込まれる。加えて、国民の賛成意欲が高く、ファシリテーターや専門家によって十分な議論の補助および情報共有が行われていることから、投票率低下や美人投票を課題として政策を講じなくてよくなる。

そしてDAO4Nのそもそもの性質であるが、政治家や行政に伴う利権、天下り、贈賄を即座に民意によって罷免できるために、極めて透明性の高い、自己効力感のある民主主義が可能である。


引用

+DAO4Nのコスト面