CROをサブセットと組み合わせて設計することについて

■ 現実のCROの見え方

日銀総裁や最高裁判事は任期中の解任ができないという行政長官としては特殊な(CRO的な)性質があります。通常の行政長官はCDOとしていつでも罷免できるべきです。

■ 行政長官としてのCROの欠点

彼らを行政長官として人事体系を作るときの欠点は、組織腐敗を正そうにも長官そのものは首にできないために本質的改善が望めない点です(だからCROは1ロール複数人確保してランダム登用したい)

■ 行政と人事システム

一方で、行政メンバはCDOなのでシステムとしては本質的にエクセル管理でも紙管理でもPoDは一切関心を持ちません。民間と面したり行政同士でデータを融通するシステムが必要なら、FirebaseやAirtableで予算をかけず簡易に作りXRoadなどのインターフェイスで行政間連携をする姿勢が推奨されるべきでしょう。(インシデントが起きたらCDOとしてクビにしてソフトウェア的な素養のあるチームに組み換える / XRoadは単一行政のシステムに関心はないが、行政同士のアクセス権管理に関心がある)

■ CROとサブセットの関係

あるサブセットにおいて、CROが存在しないときすべてのサブセット構成員はCDOであり、メンバの任命権解任権はサブセットの代表者と市民が持ち、代表者の任命権解任権は市民が持つ。サブセットにCROが存在するとき、サブセットのメンバ任命権解任権は複数人いるCROの人事会議か市民が持ち、CROたちの任命権は市民がもち解任権は誰も持たない。最高裁判決のようにCROが何かトラステッドな処理をするとき、彼らはランダム登用されるように作られなければならない。CROたちで結託して行動を予め決めておくことはできるが、市民がCRO任命を正しく行っていれば問題ない。CROへの公安による脅迫は +攻撃と妨害の整理 にあるように民意健全性のlivenessを損なわせるまではない。

■ CRKYCはCROではない!

+熟議で変更可能な変数 を見直していて気づいたが、CRKYCにrate limitが存在する理由は異常があれば一定期間内に罷免するためだ。もしCRKYCがCROならばこのようなときにも罷免されないことが保証されているために、CDOのみにある性質を持つCRKYCはCDO寄りの主体と言える。つまり、CRKYCメンバの任命権解任権はCRKYCサブセットの代表者と市民が持ち、CRKYCサブセット代表者の任命権解任権は市民だけが持ち、CRKYCメンバの人事システムはエクセル管理でもよいということになる。CRKYCサブセットに所属するメンバの不正を正すためにCRKYC代表者(CROではなくCDOであることに注意)を解任するという抑止構造である。また、この構造による公安による脅迫はrate limitで防げる。CRKYCメンバの任命熟議数の問題はオフチェーン化された。

■ TEE管理者について

このCROもサブセット化することで任命熟議数を節約できそうである。TEE管理者についてはそのサブセットの長たち(CDOではなくCRO)を公安が脅迫したとき、CRKYCの施設にあるTEE Deviceが信用できないものとなり「架空の国民攻撃」が可能になる。国民数の増加に関してはrate limitがないので、気づいた段階で応急処置的にCRKYCを法的に停止あるいはPoD的に罷免し時間をかけられる状態を作り、(公安による捜査あるいは市民による調査で)原因を辿っていき、公安を罷免することになる。国庫抜き取り攻撃への対策(+「資金力のある公安による買収」の中間者不在パターンの被除外確率と、審議時間決定式による緩和 )と同じく、CDOである公安を犯人であると特定し、罷免できる時間を稼ぐことが重要。 

■ 熟議翻訳者について

+熟議で変更可能な変数 において熟議翻訳家をCROとして設けたが、CDOでよいかもしれない。
日本だと必要性が弱いかもしれないが、インドのような国や国連だと熟議における言語の壁は低いほうがよく、税金で翻訳を行って然るべきである。
多言語熟議における翻訳の質の劣化や誤訳は故意であろうとなかろうと民意健全性を損なうためCROにすべきかと考えたが、CRO任命リソースは高価であるし、CDOたる公安や税務署程度の独立性でもよかろうと考える。

■ CDOとCROを分けるもの

この文書を経て +熟議で変更可能な変数 にあったCROたちの中で

CDOに格下げされたもの
  • 熟議翻訳者
  • CRKYC(プロトコルに補助されたCDO)

サブセット化されたもの
  • TEE管理者
  • 最高裁判事
  • 中央銀行総裁

上下関係なく全員CROのままのもの
  • ファシリテーター
  • 専門家

ということになった。得られた知見としては

  1. 熟議に不可欠なCROのみ全員CROである必要がある
  1. 熟議には必要ではないが、民意健全性のsafetyとlivenessを担保するために極めて必要なものはサブセットと組み合わせて使う

ということである。