機械学習入門

はじめに

人工知能の(ごく簡単な)歴史

  • 1956年に米国ダートマス大学で開かれた国際会議で「Artificial Intelligence」という言葉が初めて用いられ、1960年代にかけて第1次ブームとなった。この時代には「真理の自動導出」という理論目的が追求された。
  • 1980年代に人間の生活に役立つ実践目的に舵を切り、エキスパートシステムへの期待から第2次ブームとなった(例:第五世代コンピュータ)。チェスなどの問題は解けたものの、現実の問題に適用するには限界があり、再びブームは去った。
  • 1990年代に機械学習が高速なハードウェアと大量のデータを背景に発展したが、専門家による特徴(量)エンジニアリング(feature engineering)が必要だった。
  • 2012年にImageNet(140万枚の画像を1000種類に分類する問題)において、深層学習により前年の74.3%から83.6%へと大幅に正答率が上がり、さらに2015年には96.4%と一気に向上して人間と同等の正答率となった。この頃から再びAIへの期待が高まり、第3次ブームとなった。
  • Neural networks are not just another classifier, they represent the beginning of a fundamental shift in how we write software. They are Software 2.0.

人工知能・機械学習・ニューラルネットワーク・深層学習の関係

人工知能(Artificial Intelligence)

  • 汎用型人工知能(Artificial General Intelligence)→未だ実現されていない。実現できるという立場を取る人々もいれば(例:シンギュラリティ)、実現できないという立場を取る人々もいる。
  • 特化型人工知能(Artificial Narrow Intelligence)→画像認識、音声認識、機械翻訳、自動運転などの領域で既に(ある程度の精度で)実現されている。

機械学習(Machine Learning)

  • 人工知能の実現するための方法の一つ。
  • データと答えを与え、ルールを学習し、学習したルールを用いて推論する。
  • さまざまな機械学習
  • 教師あり学習(supervised learning):データと教師ラベルの対を与えて学習
  • 分類
  • 回帰
  • 半教師あり学習(semi-supervised learning):大量の教師なしデータと、少量の教師ありデータを与えて学習
  • 例:ノイズ除去
  • 例:異常検知
  • 教師なし学習(unsupervised learning):データだけを与えて学習
  • 例:次元の縮小
  • 例:クラスタリング
  • 例:GAN(Generative Adversarial Network:敵対的生成ネットワーク)
  • 強化学習(reinforcement learning):環境に関する情報を受け取り、報酬を最大化する行動を学習
  • 例:Google DeepMindのAlphaGo

ハンズオン

ニューラルネットワーク(Neural Network)とは

より正確には人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network)。生体ニューロンの動作を極めて簡易化した人工ニューロンが結合したネットワークによって実装された、脳機能のある特性に類似した数理的モデル。
ニューロンの数が2つの場合には以下のようになる。
y^={1x1w1+x2w2+b>00x1w1+x2w2+b0\hat{y} = \begin{cases}1 & x_{1}w_{1}+x_{2}w_{2}+b > 0 \\ 0 & x_{1}w_{1} + x_{2}w_{2}+b \leq 0\end{cases}

試してみよう

  • 機械学習における方法の一つ。
  • 1950年代に基礎となる考え方が提案されたが、ハードウェアの能力、データ、アルゴリズムの成熟度が不足していたため、現実的ではなかった。
  • 2000年頃に初めてDeep Learningという言葉が用いられ、2010年代に環境が整い、大きな成果が次々と生まれたことにより脚光を浴びた。

試してみよう