資本主義の終わりを待ちわびて
読了目安 3分


これはBitcoinやブロックチェーンの話ではなく、我々の未来の話だ。

しぶとい資本主義

COVID-19に起因する金融緩和で世界中で少なくとも500兆円以上(https://www.google.com/amp/s/www.nytimes.com/2020/03/26/business/economy/fed-coronavirus-stimulus.amp.html) の金融緩和が予告された。

この数字を我々はどう受け止めればよいのだろうか?世界的なハイパーインフレーションの到来に備えればよいのだろうか?意外と底堅い通貨価値にあやかって注入された資金の行き先にこぞって投機すれはよいのだろうか?

一部の人は悲観的に捉え、自暴自棄に走る言い訳に使うかもしれないが、この記事を読んでいる方々にはこう考えてほしい。「終わるものもあれば、生まれるものもあるはずだ」と。

金融緩和の副作用

金融緩和は錬金術や打出の小槌の類だろうか?ではなぜ1000兆円ではなく500兆円なのだろう?我々のリーダーはせっせと500兆円のヘソクリを貯めておいてくれたのだろうか? 

まあなんのことはない、我々と我々の将来の子孫の税金として反映されるのだ。将来の徴税力を担保に自国通貨建ての長期国債は買われるのであり、それが買われる限りは国は世界の投資家からお金を借りてくることができる。この債権が焦げ付くときは、自国通貨建てなので、国は必ずお金を刷って返せる。このとき損をしているのは、その通貨で財産を保有している人々である。

国がそのような資金繰りを続けていると、投資家も愛想をつかす。すると最終的にドル建て国債で借金をするしかなくなり、これの返済は純粋な歳入―つまり税収から行うしかない。支払えないときは、いわゆる財政破綻(デフォルト)であり、IMFが内政干渉し、強制的に税金を上げて公共サービスの質が最低ランクになる。つまり、生活水準が著しく下がり、人権が必ずしも守られない状況となる。

子どもたちの反乱

アメリカ国防総省はGen Zと呼ばれる1990年代後半から2010年代前半に生まれた若者がZbellionというグループを作成し、反乱を起こすシナリオについて真面目に研究していたことがリークされた(https://www.documentcloud.org/documents/6936805-JLASS-Document.html)。
前述した負担に耐えかねた若者の行動の一例だ。当然、若者からすれば、政治家や大人たちの失敗のツケを生まれながらに食わされる義理はない。

世界中の子どもたちがみな一様に国に見切りをつけるとき

Zbellionはアメリカだけの問題ではない。どの国でも起こりうる問題だ。つまり、若者は国というものに世界同時多発的に愛想を尽かすのだ。
これが一国だけなら他の国に移り住めばよいだけなのだが、逃げ場がないなら重税を甘んじて受けるか、全く別の借金のない若者の国を作る他ない。国を作るコストがゼロ化した社会において、周りの国が体力を失っているならば、容易いことだろう。辺境の地にそこそこの暮らしを築いていくことは、テクノロジーの進歩からしてもそう難しいことではないだろう。

我々の福音は

このシナリオに陥る前に、我々は新しい国と新しい生活を作るためのコストを十分に安くして置かなければならない。さもなくば、希望のない退廃的な未来しか想像することができないだろう。
希望の火を絶やさないための道標として、我々は国と生活の技術をオープンソースにし、誰でも使えるようにしておかねばならないのだ。

文責 落合渉悟
執筆 18分