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電子署名「HelloSign」APIと「kintone」の連携で電子契約を完結
TechRepublic Japan
電子署名「HelloSign」APIと「kintone」の連携で電子契約を完結
Dropbox Japanが提供する電子署名サービス「HelloSign」と「kintone」を連携させるプラグイン「Dropbox “HelloSign” for kintone」を活用すれば、kintone内で電子契約を完結できる。
japan.techrepublic.com
阿久津良和
掲載・更新: 2020/11/24 06:45
Dropbox Japanが提供する電子署名サービス「HelloSign」と「kintone」を連携させるプラグイン「Dropbox
“HelloSign”
for kintone」を活用すれば、kintone内で電子契約を完結できる。
Dropbox Japanは11月20日、記者会見を開催。電子署名サービス「HelloSign」をAPI経由で利用する「HelloSign API」を説明、「kintone」と「Dropbox Business」、HelloSign APIを連携させることで電子契約業務をkintone内で完結させるプラグイン「Dropbox
“HelloSign”
for kintone」を解説した。同日から提供されている。
キャップドゥ 代表取締役社長 森田晃輝氏
kintoneのプラグインとして動作するDropbox
“HelloSign”
for kintoneは、HelloSignの利用料込みで月額1万8000円。ユーザー数などの制限はなく、年間600件までの電子契約依頼が可能。
開発したキャップドゥ 代表取締役社長 森田晃輝氏は「弊社の顧客は従業員100人以上の中小企業が多く、スタート段階では600件で充分だと考えていた。だが、現在は従業員1000人以上の企業からも引き合いをいただいている」と600件以上は相談に応じる旨を説明した。
開発が容易なHelloSign API
Dropbox Japan ソリューションアーキテクト 保坂大輔氏
企業のウェブページなどに電子署名機能を埋め込む
HelloSign
には、電子署名依頼などを自動化するAPIを備えている。Dropbox Japan ソリューションアーキテクト 保坂大輔氏によれば、「われわれが把握している範囲で、HelloSign APIの開発期間は平均2.5日。顧客の39%は1日以下で開発を終えている」(同社)という。海外のIT製品レビューサイト「G2 Crowd」では、2018年夏冬に電子署名として上位にランクインしている。
Dropbox JapanはHelloSign APIの開発が容易である理由として、サポートチーム体制やAPI Dashboardなどを掲げた。APIリクエストやレスポンスの追跡や署名リクエストの状況確認に加えて、各APIの検証やステップバイステップのガイドを用意している。
Dropbox
“HelloSign”
for kintoneは、キャップドゥが開発したPDF作成プラグイン「KAIZEN-PDF」を基盤としており、HelloSign APIの実装は2日間で終えたという。
HelloSign APIの導入事例としてDropbox Japanは、学生向け教育ローンを扱う米Climb Creditと、RV車のシェアリングサービスを提供する米RVshare.comの2社を取り上げた。両社に共通するのはオフラインの業務フロー。印刷やアナログ署名、スキャンといった工程が加わり、手間や時間、苦情につながっていたという。
Climb Creditは物理的に離れた親が共同署名者になるケースが多いため、煩雑さが増すことは説明するまでもない。RVshare.comは利害関係者が多く、RV車のオーナー約6万人と数百万人におよぶレンタル利用者の間に立たねばならず、係争問題に拡大するケースも少なくなかった。
両社は電子署名工程にHelloSign APIを組み込むことで、Climb Creditはローンの承認が3倍まで早まり、他社への乗り換えが低下。RVshare.comも顧客満足度の向上や係争件数も10分の1まで減少し、保険業務など新たなビジネス展開を計画中だという。
Climb Creditは「
DocuSign
」とHelloSign APIを比較して、「もともとの機能では(Climb Creditの)要件を満たせなかったが機能追加で柔軟に対応」(保坂氏)した点を評価。RVshare.comも「
Adobe Sign
」とHelloSign APIを比較して開発の容易さを評価している。
HelloSignとHelloSign APIの相違点
契約完了後の更新作業もカバー
Dropbox
“HelloSign”
for kintoneは、kintoneのレコード情報から帳票データを自動で作成して出力するプラグインであるKAIZEN-PDFを基盤にしている。
新規もしくは既存の契約書や注文書、発注書をkintoneに読み込ませてPDFファイルを作成し、HelloSign APIを活用して相手に電子署名の要望メールを送信。相手が署名した後は結果がkintoneに配信され、電子署名済みPDFファイルはDropbox Businessに格納する仕組みだ。
Dropbox
“HelloSign”
for kintoneのデモンストレーション。タブレットなどによる電子署名や印影をデジタル化したデータ、過去の電子署名を利用できる
工程を見ると至極シンプルに見えるが、キャップドゥの森田氏は「われわれはkintoneとHelloSignを連携させることで、契約締結作業にとどまらず、契約に至るプロセスと契約完了、そして契約完了後の更新作業など各種作業を管理する仕組みを実現した」と説明した。
kintoneの管理画面でDropbox BusinessのアプリケーションキーやHelloSignのトークンを登録すれば、電子署名の工程はHelloSignと同じく署名を依頼する相手にメールが送信され、署名後の結果をkintone上で管理できる。
当初は自社向けに開発したDropbox
“HelloSign”
for kintoneだが、導入前は担当者3人で約3時間、作業工数15を要した締結業務を、担当者1人で約5分、作業工数2まで短縮したという。
相手が電子署名を終えると、kintone上のステータスが「Signed(署名完了)」に変化する
Dropbox Japan パートナー事業部長 玉利裕重氏
Dropbox Japanは2020年注力分野の1つにパートナービジネスの強化を掲げているが、パートナーグループ人員倍増やパートナー専任カスタマーサクセスの新設に成功したと説明する。6月に開催した発表会で同社代表取締役社長 五十嵐光喜氏は、具体的な施策の1つとして「
日本独自アプリケーションとの連携拡充
」を掲げていたが、Dropbox
“HelloSign”
for kintoneの「発表が1つの証(あか)しになった」(同社パートナー事業部長 玉利裕重氏)といえる。
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開発が容易なHelloSign API
契約完了後の更新作業もカバー