FPSのSubstitution Group

文献


導入

定数項なし、一次の項の係数が単数であるようなRR上のFPS(RRは可換環)の集合を考える ここではGGとする

上記文献だと一次の項の係数は11に限定しているが、単数だと考えても差し支えない気がする 深い議論をするときに困るのかな

演算

f(x),g(x)Gf(x),g(x) \in Gに対して、FPSの代入操作(Substitution) f(g(x))f(g(x))を考える
二項演算
:G×G(f,g)f(g(x))G\circ : G \times G \ni (f,g) \to f(g(x)) \in G
によってGGは群を成すよという話 以下、確認

閉じているか

そもそも演算\circが閉じているか気になる
[x0]g(f(x))=0[x^0]g(f(x))=0は明らか
[x]f(g(x))=([x]f(x))([x]g(x))[x]f(g(x))=([x]f(x))([x]g(x))という関係式がすぐにわかって、単数の積は再び単数であることから従う


結合法則

超本質 ここを明確に確認している文献をまだ見つけられていないが、ここを示さないと他も示せない
自力でどうにかなる?????

(fg)(h(x))=f(h(x))g(h(x))(f*g)(h(x))=f(h(x))*g(h(x))を言いたくなってきた(上記の証明でも、(gh)k=gkh(g \circ h)^k = g^k \circ hという変形をするときにこの主張が必要)
これが言えないと、例えば、1/(1x)1/(1-x)f(x)f(x)を代入したくなったときに(数え上げとかでよくあるはず)、(1x)1/(1x)=1(1-x) * {1/(1-x)}=1の両辺にf(x)f(x)を代入して、
(1f(x))1/(1f(x))=11/(1f(x))=(1f(x))1(1-f(x)) * 1/(1-f(x))=1 \Rightarrow 1/(1-f(x))=(1-f(x))^{-1}
みたいな変形ができないはず
以上より、FPSの基本的な式(和、差、積、逆元の組み合わせ)で表されるFPS(例えば、f(x)=((g(x)+h(x))a(x))1f(x)=((g(x)+h(x))*a(x))^{-1}とか)に対して代入を行いたいときは、各項に別々に代入していいことがわかります(つまり、カジュアルにやっていい)

単位元

xxが単位元です。確認は容易

逆元

f(x)Gf(x) \in Gに対してg(f(x))=xg(f(x))=xとなるようなg(x)Gg(x) \in Gが満たすべき条件を考えてあげる
g(f(x))g(f(x))の各係数を計算してあげると、[x]g(x)=([x]f(x))1[x]g(x)=([x]f(x))^{-1}で、n>1n>1においては[xn]g(x)[x^n]g(x)は漸化式的に計算されることがわかる 漸化式による数列の定義は正当な操作(少なくとも二項間漸化式の時の証明は見たことがある それ以前のすべての項が関係する漸化式のときも大丈夫だと思う 理由:大丈夫じゃなかったらもっと議論されているはず)であるため、逆元が存在することが言える。
g(x)Gg(x) \in Gに対してg(f(x))=xg(f(x))=xとなるようなf(x)Gf(x) \in Gも同様に存在が確かめられる

逆元の一意性
ffに対して、ggを左逆元、hhを右逆元とすると、
g=g(fh)=(gf)h=hg = g \circ (f \circ h)=(g \circ f) \circ h =h
となることから、右逆元も左逆元も一意で、なおかつ右逆元と左逆元が一致する
よく見るとこれはただの群論の議論ですね


以上より群を成すことが確かめられました 完

メモ