DAO4Nとはなんなのか
- 我々は1984年に出版されたベンジャミン・R・バーバーのストロングデモクラシー(熟議民主主義)と同じものを結果的に発明していました。ただし、これまで不可能だった実装をオープンソースにしながら、です。これをDAO4N(Decentralized Autonomous Organization for Nations)と名付けました。
- これは、政策の審議員を市民からランダムに選ぶ形の直接民主制(厳密には抽選制)です。裁判員制度と似ていますが、多くの工夫があります。まず、ポピュリズムにならないように議決権のないファシリテーターと専門家を審議に参加させます。加えて、エリート志向にならないように学力や人種で参政権を限定しません。すべてのプロセスにおいてブロックチェーンがランダムな選択をするので、お金を盗んだり恣意的に参加者を選んだりはできません。
- このプロトコルのアーリーアダプターは、よりよい民主主義を求めるすべての人々です。それは例えば、市民参加型の政治を求める自治体だったり、長年の腐敗した政治を打倒したい人々だったり、何もないところから国を立ち上げる人々だったり、過疎化して議会を維持できなくなってしまった人々だったりするでしょう。
- どのように国の枠組みの中でこの仕組みを利用するかというと、まずは自治をせねばならないので、罰則付き条例などを用いてルールを作りましょう。そして法曹業界の人材育成と制度運用は、既存の自治体がそうしているように、所属している国の制度を借用できます。もちろん、所属している国のルールに反するときは、裁判で紛争解決をしましょう。
- 我々にはよりよい民主主義を求める権利があります。そして民主主義は人権の前提です。W3Cというインターネットの標準規格を決める団体の提言である RFC8280 にあるように、いまやプロトコルは人権的でなくてはなりません。自治もソフトウェアとして標準化できる以上、人権的でなくてはなりません。
- 勇気を振りしぼって、人権がもっとも大切であると認めましょう。そして、あなたが人権を主張するとき、別の人の人権もまた尊重されるべきであることを心がけましょう。他の国に負けてしまわないように競争を続けた結果、何十回も世界大戦を繰り返したり地球環境を破壊してから学ぶより、いまそれを理解して、人権を諦めた抜け駆けを許さない態度こそ、もっとも誇り高い規範だと皆で信じましょう。恥ずべき歴史を生み出す前に学ぶ力が人間にはあるのだと信じましょう。
参考文献
民主主義の思想史 講義資料
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