Astar の売り方
最近新聞広告を出したりしてメディアでも日本発ブロックチェーンとして名前がよく出る Astar ですが、 買い方の解説はいくつも見つかるものの、売り方の解説は見つからないのでガイドを書いてみました。

Astar には2つのアドレスがある

まず第一に理解しておかなければいけないのは Astar には2つのアドレスがあるということです。一つはネイティブアドレスで、 polkadot.js などのウォレットで表示されるアドレスです。もう一つは EVM アドレスで、 Metamask などの Ethereum 互換ウォレットで表示されるアドレスです。

そしてこの2つのアドレスは完全に別のものです。残高もそれぞれ別ですし、送金可能な範囲も別です。ここを理解しておかないと資金を失うことになります。

ネイティブアドレスの売り方

Astar ネイティブアドレスに関しては、そのまま Astar として送金できるので Astar 対応取引所に送金して取引すればいいのですが、対応している取引所は多くありません。

Astar に対応しているのは Binance, KuCoin, Huobi, Kraken など日本で正式にサービスを提供していない取引所ばかりです、ただ先日 bitbank が国内取引所として初めて Astar に対応しました。初心者は Astar を売りたければ bitbank の口座を開設するのが無難です。

実際の送金方法

  1. Astar Portal にアクセスする
  1. polkadot.js を使って接続する(ここで Metamask を選ばない)
  1. Astar を取引所の入金用アドレスに送金する

ネイティブアドレスの送金方法に関しては一般的な暗号資産と違いはありません。ウォレットから直接送金することも可能ですが、一番多く紹介されている polkadot.js を使うくらいなら Astar Portal から送金したほうが簡単です。

EVM アドレスの売り方

Astar EVM アドレスに関しては、基本的に受け取ってくれる取引所はありません。一度ネイティブアドレスのウォレットに送金してからネイティブアドレスとして送金することになります。

実際の送金方法

  1. Astar Portal にアクセスする
  1. polkadot.js を使って接続する(ここで Metamask を選ばない)
  1. ページ上部にあるネイティブアドレスをコピーして控える(タイプミスの危険があるので手書きではなくコピペしましょう)
  1. Metamask を使ってコピーしたネイティブアドレスあてに Astar を送金する
  1. Astar Portal で ‘Your EVM deposit’ の残高が確認出来たら ‘Withdraw’ を実行する
  1. ネイティブアドレスとして送金する

別の方法

  1. ArthSwap にアクセスする
  1. Metamask を使って接続する(polkadot.jp では接続できません)
  1. ASTR を DOT にスワップする
  1. Astar Portal にアクセスする
  1. Metamask を使って接続する(ここで polkadot.js を選ばない)
  1. XCM Assets の DOT 残高が確認出来たら ‘Transfer’ を実行する
  1. ‘Cross-chain Transfer (XCM)’ を選択して Astar (EVM) から Polkadot に送信する(送信先は polkadot.js に表示される自分の polkadot アドレスです)
  1. Polkadot として取引所に送金する

Polkadot を扱っている取引所は多いので、こちらの方法なら日本国内からでも扱いやすいですね。

おわりに

Astar はネイティブチェーンとか XCM とか EVM とか仕組みが複雑で Bitcoin のように単純に買って売るだけではないのが難しいところです。これは Astar に限らず他の Polkadot パラチェーンでも同様ですが、 Astar は Moonbeam 等と比較すると見せ方が下手だと感じます。

仕組みがわかるという点で勉強にはいいですが、より広く一般向けのデザインとしてはどうかなと。このところの他業種との連携とかを考えるともうちょっと見せ方を変えたほうがいいのではないかと思います。

2022.10.1 by Τόνια