4 身体と空間(1) 動くことと見ること Body and Space (1) Moving and Seeing

建築ITコミュニケーションデザイン論 第4回

本江正茂
2020年6月3日(水)

ダイアログ・イン・ザ・ダーク Dialog in the Dark

  • 「Dialog in the Dark」は、日常生活のさまざまな環境を織り込んだまっくらな空間を、 聴覚や触覚など視覚以外の感覚を使って体験する、ワークショップ形式の展覧会です。 1989年ドイツ・ハイネッケ博士のアイディアで生まれ、その後、ヨーロッパ中心に70都市で開催、 すでに100万人が体験しています。
  • 参加者は、くらやみの展示室を普段どおりに行動することは、不可能です。 そこで、目の不自由な方に案内してもらいます。案内の人の声に導かれながら、 視覚以外の感覚に集中していくと、次第にそれらの感覚が豊かになり、 それまで気がつかなかった世界と出会いはじめます。森を感じ、小川のせせらぎに耳を傾け、 バーでドリンクを深く味わいながら、お互いの感想を交換することで、これまでとはすこしちがう、 新しい関係が生まれるきっかけをつくります。(DID in 仙台 開催趣旨文より)

DID、3つのテーマ
  1. 視覚障害者と健常者が一緒に活動する機会を設けること
  1. 視覚を遮断することによって五感を再認識する(活性化させる)こと
  1. この展示ツアーを何人かと一緒に体験することにより、参加者同士の間に、これまでにない「対話」を生み出すこと

Dialog in the Dark in 仙台
2001年10月21~31日 せんだいメディアテークにて
実質参加者数:592名。本江も参加。
  1. 集合。白杖の持ち方。自己紹介。声を覚える。
  1. 森:木の匂い、落ち葉を踏む、幹や枝の手触り、小川を渡る。
  1. 街:信号の音、段差、クラクション、クルマ
  1. 海:陸橋をこえる。砂浜、ブランコ、古いボート、宝探し
  1. テーブル:様々な感触のオブジェ、音が出るおもちゃ
  1. バー:席に着く、飲み物を渡す、ワインを飲む、胃袋の形
  1. 絵を描きながら対話。よそよそしく別れる。
  • 動くと環境のことがわかる。じっとしていると何もわからない。
  • 障害者体験以上に、感覚の解放の問題。マルチメディア?
  • 随時開催中。機会を捉えてぜひ行くべき。

人工の眼 Artificial Sight

ドッベル・アイ Dobelle Eye
  • ウィリアム・ドッベルによる人工視覚の研究成果。1999年公開。
  • 1968年に研究開始。1970-72年、ヒトの脳内に電極を設置。
  • 開発当時は800kgのコンピュータが必要だった。今はモバイルパソコンで可能。
  • CCDカメラ→デジタル化→コンピュータ→大脳皮質視覚野にパルス
  • 色は分からない。先天性視覚障害で視覚野が未発達の場合は使えない。
  • 事例にあるジェリー氏は22歳の時に外傷で片目を失明。36歳のとき第二の外傷で全盲となる。1978年(41歳)に手術をうけ、20年以上感染などの問題なく暮らしている。地下鉄にも乗れる。
  • イェンズ氏は17歳の時線路際での事故で左目を失明、3年後スノーモービルの修理中に金属片が右目に入り失明。
  • 2002年4月現在、システムは市販され、6か国で8名の患者がインプラント手術をうけている。将来的には手術料込みでUSD $50,000。
  • 「体を動かして帽子を取り、人形にかぶせる。」→ 視覚と身体動作の同調=見えている!
  • ソースはカメラでなくてもいい。
  • デジタルな視覚 vs オプティカルな視覚
  • ゲシュタルト=感覚要素の総和以上のもの、総和とは異なるもの
  • e.g. 個々の音に対するメロディ
  • 中枢−推論説(感覚器官→知覚) vs ファイ現象(仮現運動:点滅する電球が移動してみえる)
  • 要素刺激とゲシュタルトは同レベルにある。
  • 視覚その他の人工眼研究
  • カメラからの信号の受信部の取り付け場所で3タイプ
  • 網膜/視神経/大脳視覚野
  • 脳に近いほど適用可能性は広い、実装が困難。
  • イエンス・ナウマンさんの事例