デジタル表現演習 #12
#12 Illustratorの覚えておきたい機能

高尾俊介(takawo@konan-wu.ac.jp)
甲南女子大学 文学部 メディア表現学科 講師

 クリッピングマスク

(P. 162  / サンプルファイル: L7-1S01.ai)
クリッピングマスクを使うと、オブジェクトや画像を切り抜いて一部だけを表示することができます。元のオブジェクトや画像を損なわないため、仕上がりサイズの指定がある場合にも便利な機能です。

配置した画像やイラストの一部だけを見せるために、見せたい形状で切り抜く機能をクリッピングマスクと言います。単純に「マスク」と呼ぶこともあります。

配置した画像を上下左右でトリミングしたい場合には、コントロールパネルの「マスク」をクリックします。画像の境界線にハンドルが表示されるので、ドラッグするとトリミングされた状態でクリッピングマスクが作成されます。

切り抜きたい形状でオブジェクトをマスク刷る場合は、マスクされるオブジェクトや画像と、マスクに使うオブジェクトの両方を選択して、「オブジェクト」メニューから「クリッピングマスク」の「作成」を選択します。

クリッピングマスクを正しく作成するには、マスクに使うオブジェクトの重ね順を最前面にする必要があります。注意してください。順序を入れ替えたい場合は、マスクに使うオブジェクトの重ね順を最前面に指定してください。

効果メニューによる変形

(P. 165  / サンプルファイル: L7-2S01.ai)
効果メニューからグラフィックに様々な変形を行う事ができます。効果による変形を行うと、あとから調整や、表示をオフにして元の状態に戻すことができるので便利です。

効果メニューの機能は、実際のパスの形状を変化させずに見た目だけを変形させています。効果を使用したオブジェクトを選択すると、アピアランスパネルには適用されている効果が表示されます。目のアイコンをクリックして効果を適応されない状態にしたり、テキスト部分をクリックして効果の設定内容を変更できます。

効果メニューには、オブジェクトの影をつけたり変形するコマンドが多数用意されています。詳細は教科書を確認してください。パスの形状はそのままなので、複数の効果を重ねるように適用できるのも良いところです。

それでは、レッスンファイルを開きます。選択ツールでテキストオブジェクトを選択肢、アピアランスパネルで新規効果を追加から、パスの変形>ジグザグを選びます。ダイアログボックスで、大きさを0.2mm、折り返しを5に指定します。次にもう一つ効果を追加します。パスの変形>バンク・膨張を選びます。-10%にしてOKをクリックすると、アピアランスパネルには2つの効果が適応されていることがわかります。目のアイコンをクリックすると効果のオンオフを切り替えることができます。

線を変形する便利な機能

パスのオフセット
(P. 166  / サンプルファイル: L7-3S01.ai)
Illustratorには、線を変形して一回り大きな図形にしたり、直線からジグザグ線や破線に変形する便利なメニューコマンドが用意されています。便利なので覚えておきましょう。

レッスンファイルを開きます。選択ツールで、円のオブジェクトを選択します。「オブジェクト」メニューから「パス」の「パスのオフセット」を選びます。ダイアログボックスでオフセットに2mmと入力します。選択したオブジェクトの外側に設定した値分の離れたオブジェクトが生成されます。

以前やったパスファインダーの合体を使って、形を合成してみましょう。

パスのアウトライン
(P. 167 / サンプルファイル: L7-3S02.ai)