「すごくできる人」の講義を聴くだけでは、なぜ「できる人」になれないのか

はじめに

話の流れ

  • 「すごくできる人」の講義を聴くのはムダなのか
  • 「すごくできる人」の講義を聴く価値とは
  • 「すごくできる人」は、なぜ”講義”をするのか
  • 講義を聴くだけでは、なぜ「できる人」になれないのか
  • 「できる人」になるためには、どうすればいいのか
  • 「できる人」を育てるためには、どうすればいいのか

読者想定

  • セミナーや勉強会、研修で「すごくできる人」の講義をよく聴いている方
  • 周囲から「すごくできる人」と思われていて、講義をよく引き受けている方
  • 「すごくできる人」を講師に招き、セミナーや勉強会、研修を企画している方

「すごくできる人」の講義を聴くのはムダなのか

全然ムダじゃない

  • 別に「すごくできる人」の講義を聴く価値がないという話ではない
  • それどころか、たいへんに有意義な体験だと、心の底から思っている
  • 私自身、学びを得ることも多々あるし、感銘を受けることも多々ある
  • 「すごくできる人」を講師に招聘して、クライアントに研修を提供する立場でもある(「講義」以外と連携させることが多いが)
😖 ここで言いたいこと:ケンカ売ってない!

「すごくできる人」の講義を聴く価値とは

自分の死角・思いこみ・思い上がりを排除できる

  • 「これ、知らなかったなぁ」「これ、思い違いしてた」と素直な発見が得られる
  • 「すごくできる人」の話は説得力があり、信頼できる
  • 信用していない人に言われても「自分のほうが正しい」とスルーしていたことを、いとも簡単に改められたりする

知らなかったことを知れる

  • 自分に足りない知識や視点は、自分で発見することが困難
  • 自分が知らないことは、人の話や本から教わることで能率的にGETできる
  • 「話を聴く」のは、「本を読む」より負荷が軽い

たいてい話が体系だっている

  • 「すごくできる人」の話は、体系的に整理されていることが多い
  • まずは「学習領域に通底する論理」を学び、足場を作ってから積み上げていくと学習効率が良いため、体系的な知識は学び始めに最適

着実で有用な「今後の学習方法・実践方法」が得られる

  • 現場に即した実践重視&無理なく段階的に取り入れやすい「今後の学習方法・実践方法」をアドバイスしてくれる人も多い
  • 役立つ推薦図書、トレーニング方法、段階的な仕事への取り入れ方、職場の環境づくりなど

仕事&学習のモチベーションが上がる

  • 「すごくできる人」はロールモデルの役割を果たし、聴き手を鼓舞するパワーをもつ
  • 直接話を聴くことで「こういう仕事がしたい」「これができるようになりたい」と動機づけられる
  • 「ものにしたい」という意識、「自分にもできるのでは」という自己効力感は、学習効果を上げる
🙂 確認しておきたい大前提:「すごくできる人」の講義を聴くことは大いに価値がある

「すごくできる人」は、なぜ”講義”をするのか

理由1:「自分の知見を惜しみなく伝授する」行動指針をもつ

  • 「講義設計、スライド作成、講義そのもの、参加者とのコミュニケーション」によって自分の知識や仕事のやり方を体系化したり見直す機会がもて、その活動自体に価値を見出している
  • その分野における自身や自社のブランディング、営業や採用活動に有効に働く
  • 自分の仕事の社会的価値を認識しており、自身の能力レベルも客観的に評価できているため、声がかかれば後進育成に役立とうとする
  • 健全で安定した自己肯定感があり、自分のノウハウを開示することに開放的
  • 「講義」によって自分の市場価値が脅かされないことを分かっている

理由2:「教えること」に割ける余力が限られている

  • その存在は希少で、また実務に忙しく、「講義」以上に手の込んだもの(演習、テストなど)の準備には、なかなか時間や労力を割けない
  • ごく身近な職場メンバーなどを除けば、「長い時間、同じ場所を共有」して人に教えることが困難