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🎭パーティクル化する映像／身体／空間

水野勝仁：甲南女子大学文学部メディア表現学科

映像のパーティクル化：『ゼロ・グラビティ』なんて，もう「絵」だもんね．

石岡　そうすることで，一般にバザン的と言われているような，フォトグラフィックなものを重視する伝統を，より広い観点から捉えられるようになる．それが実感しやすいのがアニメーションなんだよね．コンピュータ・グラフィックは，フォトグラフィックじゃないとされることもあるし，映画は「描く」ものになってしまったというように否定的に言うひともいるでしょ．でもそれをさっき言った「変容」の観点から見れば，そこに積極的な意義を認めることができる．現代ハリウッド映画では，「絵」の貢献というものもかつてなく高まってるじゃない．

平倉　『ゼロ・グラビティ』なんて，もう「絵」だもんね．

オーバー・ザ・シネマ　映画「超」討議　第5章　破壊・崩壊・エントロピーの映像的・音響的描写　平倉圭＋石岡良治＋三浦哲哉

ディスプレイのピクセルへの感受性

平倉　時代が飛びますけど，ブロブ的なものに代わって2000年代に現れてきて，2010年代に過激に誇張されているのが，「パーティクル化」だというふうに僕は考えてるんです．世界はブヨブヨしていなくて，パリパリしている．細かくクリスプに割れるっていうふうになる．一見不定形なものも，すべて計算可能な粒子の挙動でできていて，明晰に割れる．pp.285-286

石岡　今はピクセルっていうものへの感受性を，全員が持っているってことですよね．この映像自体が無数のドットの連なりであるっていうことをみんなが理解している．そのことによる変化があると思う．p.287

オーバー・ザ・シネマ　映画「超」討議　第5章　破壊・崩壊・エントロピーの映像的・音響的描写　平倉圭＋石岡良治＋三浦哲哉

映像のパーティクル化と並行して，カーソルからタッチパネルに至る過程で身体のパーティクル化も起こっているのではないか？

映像のパーティクル化と身体のパーティクル化とを合わせて考えるのがVRなのではないか？

パーティクル化した画面全体とパーティクル化した身体の連動

カーソルが拡張する身体

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Designing Fluid Interfaces

カーソルと自己帰属感

カーソルが特別なのは，マウスとの「動かし」と画面の中の動きが連動し，自己帰属感が立ち上がるからである．カーソルまでが自己の一部となることで，人はカーソルを意識しなくなり，対象のほうを意識する，つまりカーソルは透明化する．だからこそカーソルの登場は「直接操作」を実現し，自己が画面の中にまで入り込んで情報に直接触れているかのような感覚へと辿り着く．カーソルはバーチャルな身体なのではなく，連動性という点においては実世界の自己の知覚原理と同じで「リアル」である．(pp.108-109)

融けるデザイン，渡邊恵太

「生物としての身体」と「知覚原理としての身体」

私たちの身体の境界は，生物として手足を持つ人型としての骨格と皮膚までかもしれない．しかし，「生物としての身体」と「知覚原理としての身体」はおそらく少し分けて考えるべきである．そして後者はかなり柔軟にできており，帰属を通じて身体は「拡張可能」と言えるのだ．(p.125)

融けるデザイン，渡邊恵太

カーソルの匿名性

身体の生々しさの排除した匿名性

パソコンのディスプレイ空間内を意図通り移動する際の指示棒となる，あのおなじみのポインタ↖が，文字通り「自分の指そのもの」であると感じられるためにはどうすればよいのか，という問題を考えた．とりわけ，ラバーハンド・イリュージョンの原理の一つ，「空間的整合性/antomical congruency」をディスプレイ空間に適用し，ポインタに身体所有感が投射されることによって，何かが変わることを期待したのだった．しかし，よくよく考えてみれば，インタフェースデザインにおけるポインタの本質は，各人の身体に固有の生々しさを排除し，華麗にディスプレイ空間を駆け廻る"匿名性"にあったはずであり，「手の形態との相似性」という制約によって，ユーザとの身体的なつながりを無理強いすることは，機能性の根幹に関わるところでポインタの首を締めることになる．

小鷹研究室の各位各論身体論 1

カーソルの「ここ」

拡張された「知覚原理としての身体」

身体が画面上の点になっている

身体の最小化＝パーティクル化

生物学的身体の延長ではない＝匿名化

カーソルの場所がわからなくなることもある

身体がパーティクル化していることを前提としたスマートフォン

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Designing Fluid Interfaces

それは「画面全体」である．たとえばiPhoneのホーム画面は指に追従し，アプリケーションリストが左右に移動する．ウェブブラウザでは画面全体が指に追従しスクロールする．カーソルはないが，カーソルと同じレベルでiPhoneの画面は非常になめらかに連動している．この連動が画面の中と指を接続し，自己帰属感が生起して身体の一部となり，ハイデガー的に言えば，道具的存在になるのだ．(p.113)

融けるデザイン，渡邊恵太

最小化した行為